コミティア127

  • 実時間は3/2。


  • 橋本治ロスがじわじわ来てると感じる。自分の思考ロジック、生き方におけるある種の指針、つらい時を乗り切る根底を支える柱の1本。橋本治で形づくられていることを改めて自覚しました。まず、「恋愛論」から読み直したいと思います。


  • 今回は西ホール開催。去年2月以来。早。その前にも西ホールでやったことがあって(Pixivがでっかいブースを出した時)、その時は1階のみ。去年と今回は2階あり。はっきりいって往復が面倒なので、複数フロアバージョンは可能な限り避けてほしい。
    • しかも1階のホール中央、バリケードで区切られた導線が、もうちょっとなんとかならんかった?というレベルでややこしい。出入り口をティアマガ購入所に絞り、フロアのど真ん中が見本誌コーナーで行き来できないため、2度ほどスタッフの人に最短ルートを訊ねた。
  • 待機列はホール屋上。日差しが近くなる春夏よりマシとはいえ、強い風に吹かれ続け、冷気に耐え忍ぶ。11時を過ぎ、スロープをくだって1階から入場。
  • 並びの《つゆくさ》と《スタッフWHY》が揃って既刊の再販(ただしくは《つゆくさ》は隣の《payjama》とのコラボっぽい試み)。どちらも購入していたかどうか、記憶の彼方だったので新鮮に楽しめた。
  • 《クロ僕屋》で「魔都継橋」シリーズ3冊目の新刊。乳首が解禁。無料ペーパーという名の分厚いコピー誌は、サンクリとMGMに参加した際のも含めて5回分。サンクリには、電子書籍同人の一斉配信企画的な関係で(おそらく)初参加をされたそうで、売り子の人いわく“坊主”だったと。シリーズのキャラたちの可愛いさが広まってほしい。
  • 《夢と笑うな》が久々の参加。検索すると最後に買ったのは110なので4年ちょっとぶり。好きだった「ケヤキ荘」シリーズの新作が新刊。これ、待ってた!
  • 2年半ぶりくらいの《私は意志を呑む。》は、顔が口だけ少女を助けようとする男の最終話。お別れの口づけが印象的。
  • 《熊の有頂天》は1年ぶり。商業話がぽしゃったという件を心配してたけれど、次に向けて頑張られいるようで何より。
  • ティアマガのサークルチェックで見つけ、ホントに来るの?と気になってた《太田垣康男》。サンダーボルト優先のため中断中の「ムーンライトマイル」のメカデザイン集。買ってくれた人と右手で握手されていた。自分も握手。昨年末、かなりの腱鞘炎で絵柄を変えざるを得ない明かした左手には黒の革手袋。
    • 新刊の説明を読む限り、あの精巧なメカの相当の数をフリーハンドで描いてたらしい。「設計図ではないので雰囲気重視で」とあるコロニーの壁面のメカメカしさよ……。
      • 読み終えて、ラストのあとがき。「絵師からの卒業記念にしたい」「絵師としてのピークを過ぎた事を自覚するに至りました」。誰もが認める実績を残してきて、否応なくそのことを認めざるをえない状況に陥っているのだとしても、そう書ける覚悟の重さが自分には想像がつかない。さらに、数倍の時間をかければ、印象派の絵なら、ネームなら、という条件をつけて「気力を失わない限り、創作活動は一生続くのです」。絵を描かない自分にも刺さる。
  • いつも寄らしてもらっているサークルで、高校生だという妹さんが初めての売り子であわあわしているのがほほえましかった。
  • 目当てのサークルで完売した本を、見本だけでもと立ち読みさせてもらっていたら、後から来た人が「新刊ください」。ディスプレイの向こうから普通に本が出てた。
  • 今日も無人販売所状態の《電市》。《有弦素量域》と並びで参加していた頃はご本人を見掛けていたが、単独参加になってから目にしたのは1回くらい? 座敷童なの? 新刊は1,000円。机の上にお札用の縦長貯金箱。入れようとすると箱が動いた。せめてガムテで机にくっつけておいてほしい……心配なので……。
  • TNC》で「えすえる」シリーズの3話目と4話目、同時発刊。物語があるようでないようであるようで。
  • エロ系とイラスト系の一部が集められた2階へ、コミケではスタッフ以外乗れないエスカレーターで移動。《日本宇宙旅行協会》で新刊2冊。糞食が過ぎる。
  • 《うみうしたべた》で着物姿の夜目子ちゃんの色紙をお迎えしたので、いい感じの和テイストの額装に収めてみる。

    • 雰囲気アップ。
  • 《Scurve》で20年前に発行されたという合同誌を購入。《ハーベストホーム》というサークル名。かやなぎたかひろ茅薙隆裕)が主催。A5判中綴じ時代のホットミルクで読んでた(ような記憶)。
  • 《これっきり》の新刊が読めば読むほどの味わい。殻を剥くのに手間がかかる「知育ガニ」の解体に挑み、認知力が宇宙レベルに急上昇。なに?このでたらめSF……?という初読が、ページをめくることを繰り返すうちに、不思議なドライブ感に変換されていく。
  • 最近、Pixivに「FANBOX」という“おひねり”的な、投げ銭的な仕組みがあることを知り、《まじかなSummerLight》《WiNDY WiNG》《赤井製作所》《スタジオキノボ》をチェック。4サークルとも月100円コースで。
    • ほかにもチェックしたいサークルを見つけたものの、300円とか500円のコースが下限だったため、申し訳ないが見送らせてもらう。月100円なら特段の見返りがなくとも気にならない。200円以上になると(自分は)途端に心理的ハードルがはねあがる(それなりのコンテンツを求めたくなる)。なので、「FANBOX」を考えているサークルの方は、自分のようなシブチンファンも念頭に100円コースをご用意いただけますと……。
  • 購入総額は46,810円。5万円のハードルを守れた(と思うことにする)。
  • 良かった新規開拓サークルは《シラキ複製》《もぐもぐの森》《テクノストレス》《松ノ木公民会》《オレンジハチドリ》《ねこましん》《アンサンブルパレード》《にらや》《七妖会》《はながのびのび》《曇天飛行》《Calvaria》《ラララ》《礼文堂》あたり。
    • 何度か買ったことあるはず……と勝手に勘違いしていた《松ノ木公民会》。結構古株のサークルのはずで、結果的に食わず嫌いなっていた。反省。「G×B×G」シリーズ2冊と「剣司ゆるり草」シリーズ3冊。どちらも一見、ほのぼのな雰囲気なんだけど、読んでいくと不穏が漂う。2冊目、3冊目の展開がまったく思わぬ方向に転んでいく。先が楽しみ、というより気になってしょうがないという意味で次回も寄るのだろう。
    • 《オレンジハチドリ》の「流星ノイジィ」。

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      • ゆるっとして妙な色気を感じるキャラクター。ぽんっぽんっと飛び出てくるような独特のコマ割りで(なおかつすっと読める)、ドタバタSFな日々が描かれる(後半にシリアスな展開も)。かなり好き。
    • 《ねこましん》で「ひつじがうたう」。

booth.pm

      • 同人のコスプレ写真集を買ったのは初めて(商業でもないけど)。思わずCGですか?と聞いてしまった。それくらい、撮影者の人のイメージする世界観の再現度がすごいと感じた。
    • 《ラララ》は、前回のティアで見かけて、気になったが結局、買わずじまいだった本。

www.pixiv.net

      • ちょうど1年くらい前、初めてそのジャンルを耳にして?が10個くらい並んだオメガバースもの。エロマンガ方面でいうTSFをさらにややこしくした感じ。♂と♀のほかに3つの性(アルファ、ベータ、オメガ)があり、相関パターンが何重にもありえる(んだとか)。買った本はオメガ男×アルファ女。両性具有ってのとも違うしなぁ。


  • ここ最近で商業作品の1巻を出した(ので買った)サークルは、ヤングキングアワーズ連載で《0丁目》の時田「JKども、荒野をゆけ」、サイコミ連載で《不純喫茶はべるか》のにしお栞「少女巡礼」、ウィングス連載で《kohlab》の杉乃紘「ひとかみカフェ」、タタン連載で《にび》のおかざきさと乃「異邦のオズワルド」、ココハナ連載で《江古田color》の五郎丸えみ「あぐりとたね」、ゼロス掲載作を収録した《けろけろまうんてんちきん》の楝蛙「春と青」。《失敗再生怪人》の澤江ポンプ「パンダ探偵社」は今のところ見送り。
    • 1年前くらいからときたま視界に入ってくるようになった「どちゃくそ」。「JKども、荒野をゆけ」でJK用語だったの?となる。“いんすた”=石碑に人手集めの告知を書き込む真面目男子が「映えない」「もっと盛って」と急かされて、最終的に「理科第2分野かな?」と突っ込まれるコマが好き。

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  • 新連載は、《犬と転校生》の紺津名子がトーチで「サラウンド」を開始。気楽に読める男子高生3人の日常。

to-ti.in

    • トーチでは、廃業宣言してた《彼岸泥棒(新しい水着)》の見富拓哉も「雪が降って嬉しい」で連載?開始。2話目が載るかどうか怪しい……。

to-ti.in

  • 今回はお休みだった《うみのねこ》の須藤佑実は、FEEL YOUNGの2月発売号に3話目が掲載された「夢の端々」を連載中。

natalie.mu

    • 主題は百合。年々、自分のストライクゾーンが狭くなってきていることを自覚するようになった百合。若い娘がいちゃいちゃしている(だけの)百合はもういい……。そんな自分なので、「夢の端々」がやろうとしている、戦中から現在まで70年以上に渡る2人の女性(一緒にいられた時間はわずか)の人生を逆回しになぞるストーリー展開には飛びつく。ゲイという違いはあるけれど、「ブロークバック・マウンテン」を好きな人は、きっとこの先の展開を期待していい。
      • ブロークバック・マウンテン」もそうだったが、数十年というスパンのストーリーになると、“心中END”を選択しない限り、2人のどちらかがもう1人を見送ることにならざるをえない。その場合、残されたほうの想いがどう描かれるかもキーポイントになってくる。そして「夢の端々」は、実は2話目の時点で、見送りのエピソードに触れてしまっている。しかも結構な唐突さであっさりと。えー、マジですか……と。このチャレンジからも目が離せない。