シリウスコミックス創刊


 応援。
 ということで第1回配本は以下の3冊を購入。小さな書店でさっと買ったので(「龍眼」と「ダブルクロス」は置いてなかった)、都内の大型店でどの程度の扱いになってるのかはまだ確認してない。26日発売のシリウス本誌に購買が結びつけばいいが。
 言いたいことはシリウス本誌の感想でだいたい書いてるので、今回はフツーに本誌未読者へ分かりやすい紹介で。


ロボとうさ吉(1) (シリウスKC)

ロボとうさ吉(1) (シリウスKC)


 シリウス創刊号で表紙・巻頭カラーを飾った期待の新人(持ち上げ過ぎ?)、加藤和恵が送るSFアドベンチャー。父親代わりを亡くしたばかりのロボ少年と脱獄犯のうさ吉が出会い、軍(ソル)の追跡を逃れながらうさ吉の昔馴染みが仕切る人工惑星に逃げ込むまで。
 児童マンガに近いテイストの正統派少年マンガ。とびきりの素直さをもつロボと、現実主義のひねくれウサギ人間=うさ吉。これがいいコンビなんである。迫力のあるアクションの描写、大ゴマの使い方が気持ちいい。今のシリウスが目指しているだろうテーマを代表するマンガ。


Dear Monkey西遊記 (1) シリウスコミックス

Dear Monkey西遊記 (1) シリウスコミックス


 殺した兄の顔を盗んだニセ玄奘三蔵を、テンテンと道中で出会った悟空(のコピー)の二人が追う。笑いあり涙アリアクションあり色気あり。「ジョバレ」が好きだった人もそうでない人にも。
 単行本で読み返してみて、そういえば悟空には額の小型カメラのコピー能力(“申=猿真似”だから)なんて設定もあったな、と思い出す。ツンデレ河童師匠登場の第4話「黒河深夜行」、悲劇な窮地で兄の生死に微かな希望を見いだす第5話「仮面都市 酒泉」を収録。



 「バツ&テリー」、じゃない「バッテリー」を代表作とするあさのあつこが原作、「ウルフズレイン」に続く原作付マンガとなったいーだ俊嗣が作画を担当。タイトルのとおり超能力が使える少女、蘭のいる中学に、隠れ関西弁で強気っ娘の超能力者、翠が転校してくる。それまで超能力に対する理解者を得られなかった翠と、紆余曲折ありながら打ち解けた蘭たちを、なぞの敵意が襲う。
 原作は読んだことがないのだが、おそらく児童向け小説の中でもかなり丁寧な描写を特徴とするのではないだろうか。登場人物たちのやりとりが、噛み締めるように伝わってくる。いーだの淡い絵柄がそれを増幅する。(女子)中学生の友情の理想形。
 あとがきでは、翠の性格を評して作者がツンデレと言い示してしまった。しかも、それを翠になじらせる。おかわりもう一杯。