NHK番組改変圧力問題、「自己保身のために編集権の独立を自発的に放棄するNHK幹部達の行為」(抜粋引用)

 
 報道倫理、取材技術といったポイントから、観戦してはいたものの、ミーガン法関連のチェックに当面の関心が移っていたため、とりあえず据え置いていたこの問題について、sarutoruの日記(1/20)での指摘を読み、何か胸につかえていたものの一部を、すっきりさせてもらうことができた。
 争い合っている一方の朝日新聞が1/18に出した記事、「『NHK側から放送前に説明』 自民・考える議員の会幹部」(http://www.asahi.com/national/update/0118/007.html?2005)という、事前説明を受けた・受けてないが水掛け論になりかかっている安部、中川のほかに、実際に事前説明を受けた政治家がいた、その報道から推測できることとして、

放送内容の改変の責任を自己では担わず、政治家の権威で代替させようと調整に走り回っていたNHK幹部の姿が透けて見える。政治家の手前では番組内容の改変はしておきますともみ手しておいて、部下の前では予算編成前の時期にあたるので政治家が圧力をかけてきたから諦めてほしい、という空気を作り出していたのではないか。

 との指摘。
 予算掌握権に屈服した報道倫理の無さを言う「弱いNHK」という見方ではなく、政治家の言質を言うことを聞かない社員を押さえつけるのに利用しようとした「狡猾なNHK」という見方は、非常にうまい転換だと思った。

今回の問題は基本的に、歴史認識などに主義主張をもっている政治家に問題があるのではなく、みなさまのNHKなどと言いながら、自己保身のために政治家を利用するNHK幹部の性質こそが問題なのではないか。

中川・安倍両氏が圧力をかけたとか、彼らが「公正中立に」と言っただけで圧力になるなどという見解を示している人は問題のありかを見間違えていると思う。そこを重視する限り、NHK幹部は確信をもって反論してくるだろう。だって圧力なんてかけられていないのだから。政治家のイデオロギー上の意向を勝手に汲んで、忠誠心を示すふりして、実は公正中立なる事なかれ主義を貫こうとしただけだろう。

 2ch勝谷誠彦二階堂豹介風に言えば、確信犯的に引き出したトップの言質や言葉尻をとらえて、都合のいいように解釈して批判材料にするような、はてなユーザーでは愛・蔵太さんのところなどで前によくとりあげていたような、「マスゴミ」のオハコを、今回の件でNHKは内部組織に対してやっていたんではないか、という見方は、自分としては納得がいきやすい。