ヤングガンガン 8号
期待と不安が入り混じっていたグラビア6人のメンバー構成は、
- 浜田 翔子
- 福留 佑子
- 松嶋 初音
- 富田 麻帆
- 天川 美穂
- 三井 保奈美
みごとに誰も知らない。
が、青年マンガ誌ならグラビアがあってもいいし、可愛い娘が載ってればそれなりに得したと思う。モーニングやイブニングやスペリオールなんかがグラビア初めても「いまさら?」だけど、ヤンガンがはじめるのは、別に至極まっとうなアプローチ。昨今の巨乳に占拠されたマンガ誌グラビアと比較すると、青少年を“そそる”というほどの水着ではなかったけど、袋とじのコスプレ企画で自分のように多少補完された人もいるだろう。カメラマンの腕や照明のせいか、どの娘も10人並み程度にしか写ってないんだけれど、6人も揃えればそれなりにカバー。
知名度の低さを人数とコスプレ企画で補った、合格点のグラビアと判定した。
けれど、マンガが充実してないと、意味ないわ……。「黒神」は連載再開したけど「ロト紋」「バンブー」「戦線スパイクヒルズ」が休載で、「化野之民」もまた休載。「化野〜」は休刊したアッパーズになぞらえるなら「ピアノの森」のようになってきた。他の連載陣もあまり元気がない。ゲストの大和田1人でフォローできるもんではない。マンガ読みとしては、「すもももももも」の真っ赤な表紙がばっちり映えてた前号のほうが勢いがあって読み応えがあった。
グラビアの仕事とマンガ編集の仕事が、担当者が別であるうえでこの結果ならまあ、次号以降に期待ということでいいのだが、なんらかのクロスがあってこの結果であるなら、少し心配なことではあったりする。
巻頭カラーで「黒神」。カラーページで儀式中のクロたちが着る民族風の衣装が、アイヌと韓国を混ぜたような独特なデザインと色合いで、目を引く。ゲームの設定が、ゲーム企画のチャンスと幼なじみを主人公に天秤にかけさせるという形で、初めて本筋にからんできた。
しかし、あいかわらず設定とかキャラのバックグラウンドの説明がうまくない。作画担当のほうは、韓国で月産数百枚をこなすような人気作家らしいし、これはやっぱり原作家の腕ということなんだろうなぁ。
「すもももももも」。今号もいろは姉さんにやられた。お兄ちゃん娘ぶりにぶちきれていく弟の様子がいい。テコ入れが完全に軌道に乗った。
大和田秀樹前後編読みきりの前編「トラ☆トラ☆トラック」。見開きで池から出現する巨大デコトラ。大和田作品には、このはったりがないとね。次号のカーチェイスに期待(って、チェイスする相手もいなさそうなデカブツだが)。
「ビターバージン」。この家庭内暴力、妊娠、出産の過去って、ひっくり返るオチだって!と予想していたんだが、なんの展開も見せないまま短期連載終了、夏ごろの連載再開へ。つーか、ヤンガンで痛い純愛が受けるのかどうか、自分がヤンガンでそういったマンガを読みたいのかどうか、よくわからない。
「リセット」。きれいにまとまったんだけど、ページの7割近くをエピローグ的な構成に割かなくても。もうひと盛り上がりして欲しかったか。
「荒川アンダーザブリッジ」。ギャグが先細りしてきてる。恋の鞘当て要素はいらないんじゃないのかなぁ……。