脳死の母親から生まれた赤ちゃんが死亡 米バージニア州 (朝日)

 http://www.asahi.com/international/update/0913/014.html

バージニア州で出産のために脳死状態を約3カ月保った母親から8月、帝王切開で生まれたスーザン・アン・キャサリントーレスちゃんが11日、腸の手術を受けた後、死亡した。5週間の命だった。家族がウェブサイトで明らかにした。
母親のスーザン・トーレスさん(当時26)は、5月に脳死状態になったが、妊娠していたため、出産が可能になるまで生命維持装置につながれた。8月2日に無事、出産後、生命維持装置ははずされた。

 5年くらい前、ある科学ジャーナリストの人に代理母か何かについての意見を聞いたとき、「人工子宮が出来るまで100年はかかるよ」と冗談交じりに答えられたことを思い出した。

 新生児が外の環境に耐えられる体に生育するまで、トーレスさんは生かされ続けた。そして、新生児を取り出された後、生命維持装置を外された。つまり、脳死状態を人間の死として周囲の人間は家族を含め、認めていることになる。

 では、脳死から新生児をとりあげられるまでの3カ月間、彼女は死人とみなされながら、実際には生かされ続けた。臓器の機能を維持し続けさせられた。まだエラやヒレがあるような生命が新生児という形になるまで、子宮という器官を作動させ続けるために、栄養剤を送り込まれ、酸素と二酸化炭素を肺の中で入れ替えさせられた。



 彼女こそ、世界最初の人工子宮だった、と後世の人は言うかもしれない。*1というか、自分は今、そう言った。



 100年も経たないうちに、彼女の生命維持装置が外されるまで、彼女がスーザンちゃんの妹や弟を産む(産まされる)ようになるのかもしれない。



 禁忌の線だろ、そこは。まだうまく言葉にならないのだけれど。

*1:もちろん、フェミの視点から、ではなく。